【ちょっとコア】ギターの弦にまつわるよもやま話。
ギターは弦を弾いて音を出す楽器です。
つまり、弦が鳴ることによって、それを本体とか、アンプとかで増幅する事で楽器として成り立っています。
ギターにとって弦が重要なのは、言うまでもないでしょう。
さて、弦ですが、弾く上で一番演奏に影響があるのは、ゲージ(太さ)ですね。
僕は、今はほとんど10-46のセットを使用しています。
これがミディアムスケールにも、ロングスケールでも僕にとってはテンション感が丁度いいです。
ただ、ショートスケールのムスタングには、09-42の弦を張っています。
これは、ムスタングには10-46の張りのある太い音は求めていないという事と、高音のきらびやかさは09-42のほうが勝っている(と勝手に思い込んでいるから)です。
あとは、相性というのもありますね。11-のゲージは使用した事がありません。
次に影響があるのが、弦の張替え頻度です。
弦は、弾かれていると、天敵である手の水分や塩分や油分に常にさらされています。
僕が本当によくギターを弾いていた頃は、一週間おきに張り替えていました。
弦は、張った瞬間が一番いい音ですが、張替え直後の弦は、とてもよく伸びます。
もちろん、張替え時に手で伸ばしたりはしていますが、一晩寝かせたほうが安定するので、いつもライブの前日に弦を交換していました。
毎日弾いていると、一週間くらい経った頃から音の輪郭がぼやけてきます。キラッとしていた高音が出なくなり、ぼんやりした音になります。
この辺が、弦の寿命かなと、僕は考えています。
まぁ、家で練習するくらいでしたら、錆びない程度に換えてやるくらいでいいと思いますが。
最後に、弦ブランドの話をします。
前もって言っておくと、ぱっと弾かれたギターの弦のメーカーの違いを聞き分けられる程の人は、おそらく0.1%もいません。自己満です。
多少音に違いがあるのは確かです。
バラ弦は買いません。200円とか300円くらいの安いセットも買いません。
安いセットの弦は、そもそも弦としての品質も低く、楽器として成り立たなく可能性があります。テンションのバランスにも不自然な感じを覚えます。
弦としての品質がある程度揃ってくるのは、ダダリオやアーニーボールなどのレベルの価格からでしょうか。僕としては、そのクラスの弦を1週間ペースで交換する事が一番いいと思います。
僕はダダリオのほうが好きです。アーニーボールは、とてもブライトな感じがしますが、それが少し耳障りに感じる事もあります。
とっても高価なものというわけでもないですし、いろいろ試してみて、好きな弦を探して下さい。
各所でエリクサーについての意見も出ていますので、僕の印象を書いておきます。
念のため、エリクサー弦とは、弦に特殊なコーティングをしたブランドで、手の油分や汚れから弦を守るため、錆びにくく非常に長持ちするという特徴があります。
さて、僕が中学生くらいの頃、エリクサー弦というものが登場しましたが(今から15年以上前)、この時のエリクサー弦は非常に高価な割に、期待に答えてくれる出来ではありませんでした。そもそも、音が若干こもりぎみに感じたのですが、一週間ほど弾くと、巻き弦のコーティング部分が剥がれてきて、ペラペラするという残念さ・・・高いお金を出して買ったのに、このペラペラのまま弾くのであれば、安い弦をこまめに換えればよかったと非常に後悔しました。
記憶では、アーニーボールが張った瞬間はとてもブライトで、一週間くらいでどんどんブライトさが落ちていくのに対し、エリクサーは最初は少しこもっているように感じるけど、その時の音が一週間経ってもほとんど変わらないという感じでした。
社会人になって、念願の335を手にして、その時おまけで付いていたエリクサー弦を張った事があります。
その時の印象は・・・あれ?音がいい・・・でした。
自分の耳が変化したのか、エリクサーの技術革新があったのかは定かではありませんが、十分にいい音と感じる音でした。しかも、ペラペラめくれない。そして、その音が数週間続く。これは、私のように弾く機会が少なくなって、しかもヘタレた音は聴きたくないというわがままな人間にはぴったりの弦だと思います。
いつか、他のコーティング弦も試してみたいです。
高い弦、安い弦、様々ありますが、自分に合った、お気に入りの弦を見つけられるといいですね。
【初心者向けギター講座】多岐にわたる、エレキギターの選び方 その① ギター選びで大切な事
エレキギターを始めようと思っている人は今でも沢山いるかもしれません。
少なくとも、僕の周りには、学生時代にギターを始めたという人(すべて男)が少なくない。
一時期、アニメの影響で、バンドがとても流行った事がありました。
バンドの中でもギターっていうポジションは、花形ですよね。ボーカルの脇で、ひたすらギターをかきむしる(笑)
そのため、バンド仲間の中でもギター人口は非常に多く、僕なんかはいつもドラム探しに苦労してたなぁ。
まぁ、そんな話は置いといて・・・。
ギターを始めるにはギターがないと始まらない。
でも、ギターの種類は沢山ありますね。
ここがまず、初心者が悩むところだと思います。
ここで、ギターの形などに関して解説している方は沢山いらっしゃるから、あえて、別の切り口からエレキギターの選び方を紹介してみましょうか。
その①
好きなものを選べばいい!
あ、言っちゃった・・・
もう、本当にこれにつきます。
これを言ってしまったら、話が終わっちゃうんだけど。
好きなものを買って下さい(笑)
どっかからか声が聞こえてきそうですね。
・・・それがわからねぇから見てるんじゃねーか・・・
で、ここから話を少し進めましょうか。
「じゃあ、どういうギターを弾きたいのか?」
ただ、これも初心者には少し難しいかもしれませんね。
でも、たとえば、
よく聴くバンドのギタリストみたいに弾いてみたい!とか、
歌いながら弾けるギターボーカルをやってみたい!とか、
とにかく目立ってやりたい!位なら、願望があるんじゃないかなぁ。
「多分、このギターだとこういうトーンが出せるから、このギターを選ぶんだ」っていう初心者は見た事ありません。まぁ、稀にいらっしゃったとしても、そんな人はギター選びで悩むこともないだろうから問題ない。
初めのうちは、レスポールとストラトキャスターの音の違いだってわからないけどね。
楽器屋に行って、楽器屋で見て気に入ったものを片っ端から試せばいいと思います。
楽器屋に行ったときのお作法は、次の「その②(多分書きます)」で紹介するつもりです。
ただ、初心者が知っておくと良い事はあります。
僕の考える、初心者が知っておくと良い事は、
「ギターには弾きやすいギターと弾きにくいギターがある」
という事です。
自分に合うものと合わないものがあると思いますが、初めのうちはどんどん練習したいので、弾いてて楽しく、挫折が少ないもののほうがベターです。弾きやすいギターのほうが圧倒的にうまくなると、僕は考えます。
さて、弾きやすさは、スケールというものの違いとネックの太さの違いによります。
まず、スケールとは、ギターのナットとブリッジまでの長さの事(弦が振動する部分の長さ)で、これが違う事によって、1フレットあたりの長さが変わります。
たとえば、ミディアムスケールのレスポールより、ロングスケールのストラトキャスターのほうが、コードを押さえるときも、ソロを弾く時も、大きく指を開かなくてはいけません。当然ながら、スケールは短いほうが指を大きく広げる必要がないので、運指が楽です。
もうひとつ、ネックですが、正確には、ネックプロファイルというか、ネックシェイプというか、ネックの形状がタイプによって違います。
太いものは大人の男の手でもかなり太いです。
また、形によって太さの感じ方が変わります。丸かったり、三角だったり、薄かったりします。
そもそもギターは、もともと欧米の人の大きさで作られている場合が多いので、手の小さな日本人には合わないと言われます。
(人によっては手の大きさはギターのプレイに関係ないと言いますが、それは間違っていると思います)
ちなみに、僕は手が小さいほうではありませんが(ピアノだとドからオクターブ上のミまでは普通に届きます)、ギターのネックは細くて丸いほうが好きです。
最初は、ネックを握っても、それが太いのか細いのかもわからないかもしれません。
ですが、多くのギターに触れる事で、自分にしっくり来るネックが必ずあると思います。
上達への近道は、なんといっても、「練習」ですね。
毎日、きちんと弾き続けられるギターを選ぶ事が、何よりもまず重要だと思うなぁ。
【相棒紹介】GIBSON ES-335 1973-74年ごろ製造
※注意※ この記事は多少マニアックです。
ギターに興味が無い方はお勧めしません。
私の相棒を紹介します。
メインで・・・といっても、ステージで全く使用されていない可愛そうな相棒です。
Gibson ES-335
1973-74年ごろの製造です。
このフォルム。
角度的な問題で、ボディが小さく見えますが、かなり大きめですね。
この頃の335のチェリーレッドは、60年代頃のもっと明るいレッドより多少暗めです。
70年代後半になると、レッドというより茶色に近い感じの色になりますが、そこまでではありません。
ステージで明るい光の中では、いい感じのチェリーです。
この335の特徴として一番大きいのは、なんと言ってもその構造。
センターブロックですが、フロントピックアップの下あたりからリアピックアップの下までがありません。この構造が音に与える影響は大きいと思います。
他の335も弾いた事があるのですが、他のはもう少し高音域が強調されていたように思います。このギターはもう少し、ふくよかというか、低音側によっている気がします。まぁ、完全に同じ環境で比べたわけではないので、微妙ですが。
このせいかわかりませんが、コンプをかけるとすぐハウります・・・
この年代の仕様には、結構マニア心をくすぐる要素が多いです。
2コブ2ラインクルーソンペグ
今は復刻版でも2コブはあまりありませんね。
と思ったら、この前楽器屋で2コブのノブをつけた新品の335を見つけました。
なんか、限定だと時々出るみたいです。
クラウンインレイは少し下に移動した後だと思うのですが、どうも、この位置の違いがいまいちわかりません。言われてみれば、そうかもね位です。GIBSONのギターって、個体差でヘッドストックの大きさやロゴの位置が結構違うんですよね。
あと、ヘッドの角度が14度の年代で、ナット裏にボリュート(膨らみ)が付いています。やはり、このボリュートがセクシーです。
このギターは、ナットがどうも牛骨ナットに交換されています。まぁ、不具合はありません。ちなみに、フレットも打ち直したようで、フレット脇のバインディングがありません。
ブロックポジションマーク
GIBSONが現行の仕様を59年仕様のドットポジションに変更した事で、ドットポジションの335というのはいまや普通となりました。例え本物だとしても、ありがたくない(笑)
僕はこのブロックポジションが好きです。60年代から70年の後半にかけてはブロックポジションだったと思います(詳しいことは他のサイトにいくらでも書いてあります)。もう少し大きなブロックのポジションマークもあるのですが、この小さなブロックマークが好きですね。
刻印ナンバードPAF、ハットノブ、TUNE-O-MATIC(ABR-1)
刻印ナンバードPAFって、今や幻って言われてるみたいですね。
いわゆる、Tバッカーといわれるもので、ボビンケースにTの字が書いてあるんですよ。すごく評価が高いですが、確かに、ハーフトーンが最高に気持ちいい。上質でとても僕が弾いていると思えないくらいの音が出ます(笑)
ブリッジとテールピースは純正ではありませんね。
70年代の純正はブランコテールピースが普通です。
このギターも、リアのストラップピンの辺りに3つほどネジを埋めた跡があります。
ストップバーテールピースは、アルミ製が乗っています。
そろそろサドルを変えなきゃいけないのですが、ナイロン製にしようと思っています。
ハットノブって、60年代の小さいものもハットノブって言うし、70年代のこの大きなタイプもハットノブって言うじゃないですか。
僕の個人的な好みでいうと、このタイプよりも60年代の小さいものの方が好きなんですがね・・・。
ちなみに、ピックアップセレクターの頭は、白いものからオレンジに変えています。
配線系は全然みていませんが、オレンジドロップでもなく、バンブルビーでもない、白い大きなコンデンサ。窓から見ると、「GOOD ALL」とかって書いてあります。
ビンテージコンデンサでGOOD ALLってありますが、この白いタイプは調べても出てきません。
カラマズー工場製
これですよね。
今は、ギブソンの工場というと、ナッシュビル工場とメンフィス工場がありますね。
当初は、レギュラーラインはメンフィスで、カスタムショップ製とシグネチュアモデルや限定品などはナッシュビルでという役割だったみたいです。
ただ最近はGIBSONでも、カスタムショップがメンフィスに移動したり、レギュラーラインが変更されたりいろいろありますから、一概にどの工場だからいいとかは言えないでしょうね。
そんな工場論争を横目に見ながら、俺のはカラマズー工場だもんね・・・とほくそ笑むわけです。
ちかごろめっきり弾く機会が少なくなったES-335。
宝の持ち腐れとは、まさにこのことかもしれません。