アコースティックギターのナットとサドル交換
どうも、おっさんトモです。
つい数年前、アコギ欲しい欲しい病にかかり、治療の為にやむなく購入したアコースティックギター、Morris W-50。
1980年のギターです。それまでスプルース単板だったものが、スプルース合板にかわり、スペックが下がった事をごまかすためにハカランダの合板をサイドバックに使用したギターです。
(ごめんなさい、酷い言い様)
ほとんど弾かれていなかったピカピカのオール合板ギターは、それはそれは丈夫で、40年近くなろうというのに、音が硬いというか、響く感じが少ないような…
なかばガッカリしながらも、数ヶ月弾きこむと、音がすこしほぐれてきて、多少響きが良くなってきました。
大きな音は出ています。
ただ、なんというか、指向性が強いんです。弾いていて、音がこちらには飛んでこない。音が出たままサウンドホールを除くと、それなりに大きな音が響いています。
なんというか、弾き手は全然気持ちよくないギターです。
ボディがガチガチな感じがします。
むかし、とある番組で、ストラディバリウスのバイオリンは何故評価が高いのかを科学的に解明しようとした番組がありました。
その番組によれば、音の広がり方が全然違うらしいです。同じくらいの音量でも、弾き手まで包み込むように音が広がるストラディバリウスは、弾いててとても心地のいいバイオリンだということを言っていました。
その点、僕のギターは全く気持ち良くないギター。なんとか音が良くなる方法はないかと、いろいろと調べてみました。
経験済みのものから、神話のようなものまでたくさん出てきます。
弦をかえる、サドルをかえる、ナットをかえる、ブリッジピンをかえる、乾燥剤を突っ込む、振動を与える機械で振動を与え続ける、弦を茹でる、順反り側に調整する、ピックガードを剥がす…
弦を変える以外、どれもあまり期待はしていないのですが、それほどお金もかけずにそれなりの効果が期待できるであろうナットとサドルを交換することにしました。
今付いているナットとサドルは、購入時についていたプラスチックのもの。それを、牛骨のナットとサドルに交換します。
実は以前に持っていたレスポールのナットを、牛骨のオイル漬けナットに交換したことがあります。少しは変わるのですが、劇的な変化は期待していませんでした。
ナットは、溝切り済みのマーチンタイプのナットを、弦高を合わせるように紙やすりでゴシゴシ。この時、ナットの接地面と密着させる為、出来るだけ真っ直ぐに削ります。
このギター、ナットの付け根に角度がついていて、なかなかに難しいです。
サドルは、テイラータイプのオクターブチューニング形状が付いているもので、そのままでは全然入らないので、少しずつ厚みを減らし、自分のしっくりくる弦高まで高さを整えます。
こちらも、サドルの穴に密着するよう、丁寧に少しずつ削ります。
削りすぎると後戻りできないので、慎重にやりましょう。
こちらもなかなかうまいこといきました。
まずは、この2つによる音の変化ですが、とても驚きました。
弾いている側にもきちんと音が飛んできます。組み込みの精度のせいかもしれませんが、これまではサウンドホールを覗き込んでいたのですが、覗き込まなくても良くなりました(笑)
アコースティックギターは、素材の変化に本当にセンシティブですね。
違いがわかったところで、弦も新調します。
わたしの最近のお気に入り、マーチンのマーキスシリーズ、フォスファーブロンズのライトゲージです。
フォスファーブロンズ、僕は以前は80/20ブロンズのミディアムゲージを良く使用していたのですが、高音の煌びやかさが癖になり、もっぱらフォスファーブロンズです。
このマーキスシリーズは、ポールエンドに赤いシルクが巻きつけてあります。これでチューニングの安定性が上がるとか上がらないとか。
張りたての弦のシャキッとした感じ、アコースティックギターではとてつもない効果です。
2週間くらいで輪郭が曇ってくるんですけどね。
今回、これらの交換で音が飛躍的に向上した僕のW-50。
これからも活躍の場が増えそうです。