入院からようやく帰ってきます。
長いことブログ更新出来てませんでしたが…
3ヶ月ほど前…
やっちゃいました…
ES-335を立てかけてたスタンドごと、バタン!!
ボリュートの付け根に見慣れない線が…
そうです、335のネック折りました。
速攻で東京の某工房に入院させました。
足立にある、ネック折れにちょっと有名な工房です。メニューはネック折れ補修に塗装。
少し混んでるということで、3ヶ月待ちになるとの事。
本日、電話がありました(出れませんでしたが…)
きっと退院の連絡ですね!
再会が楽しみです!!
週末ギタリストの屈辱
どうも、週末ギタリストのおっさんトモです。
最近、アコギの音が良くなって、週末にジャカジャカやる事が増えました。
今張っているゲージはマーチンのライトゲージ。
決して硬すぎる弦ではありません。
それなのに、それなのに…
なんで指先が痛くなるんだー!!
昨日ギターで数曲弾いただけで、指がとてつもなく痛くなりました。良く見ると、中指の先にマメのようなものができてる…
ギターを始めた頃はね、確かによく皮がめくれたものです。痛くて、痛くて。
それでも弾けなかったものが弾けるようになる嬉しさの方が勝っていて、ボロボロの指で何時間も練習したものです。
しかも当時はミディアムゲージ一択でしたからね。よく頑張っていましたね。
今は、もう、無理です。
昔は余裕で弾けていたものも弾けなくなるし、ライトゲージのテンションに負けるし、その上指が痛くなると一瞬で心が折れます。
たぶんね、あれです、あれと一緒です。
筋トレ。
はじめはキツイと思いながらも、筋肉に負荷をかけて筋繊維を破壊する。破壊した筋繊維が修復されかけてるところに更に負荷をかけて破壊する。次第に、筋繊維を破壊することに快感を覚えるようになり、常に破壊と再生を繰り返す…
なんでしょ、これ。つまり、ドM?
もしくはドS?
ギタリストも、はじめはこのくらいの方がうまくなると思います。痛くても、指先がズルムケになっても、ボロボロになるまで弾いて、治らないうちに痛いのを我慢してまた弾きこむ。
次第に、指先がカチカチになって、全然痛くならなくなります。
週末しか弾かないと、やはりダメですね。
せっかくボロボロにしても、次の週が来るまでに、少し柔らかくなってしまいます。で、また弾くんですが、すぐに痛くなっちゃう。
そもそもボロボロになるまで弾く前に心が折れるので、ズルムケにすら出来ないんですけどね。
ズルムケの時に効果的な裏技は、指先に瞬間接着剤を垂らして乾かすことです。これがとても良くて、ズルムケも保護できますし、弦の滑りも良くなります。
ただ、僕が独自にやっている事なので、手の皮が荒れるなど、なにかしらの副作用があるかもしれません。やる場合は自己責任でどうぞ。
僕は手が全然荒れないタイプなので全く気にした事がないですが。
みなさんご存知の通り、ギターは指で弦を押さえる楽器です。最初のうちは弾けば弾くほど痛くなります。
そんな時は、より弦が押さえやすいエレキに持ち替えたり、弦高を低く設定したり、ゲージを下げて柔らかいテンションにしたりするもんです。
が、当時の僕は、なんか負けた気がするし、僕なんかはジャカジャカギターをかきむしる事が多かったので、やはりゲージを下げると音が変わるし、弦高を下げすぎると音がビビるし、生音でも大きな音を出したかったので、ミディアムゲージで頑張っていました。
どうしなきゃいけないという決まりは無いですよ。弾きやすさで選んでも、出したい音で選んでも。
でも、一番大事なことは。
少しずつでも必ず毎日弾く事です。
サドルを交換したら音が格段に良くなった件についての考察
どうも、おっさんトモです。
先日、MorrisのW-50のナットを交換しました。
僕のW-50はオール合板で、38年前のギターにも関わらす表板はガッチガチです。
鳴りがいまいちだと思いながらそのバランスの良い音が気にいって、大事に弾いていました。
手に入れて数か月弾いたらボディも多少は響いてきていたのですが、やはりまずは音量をもっと大きくしたいという気持ちが強くなっていました。
少しは、何か変化があるのだろうかと、半信半疑でサドルを交換しました。
当初ついていたプラスチックのものから、牛骨のサドルにしました。
あれから一週間経ちましたが、これが大正解で、繊細な音から大きな音まで非常によく鳴るようになりました。指引きでも輪郭のはっきりした音。ピックだとまぁまぁの大音量でけっこう気持ちよく弾けます。
これはどういう事だろうと、僕なりにいろいろと考えてみました。
一般的に、プラスチックは柔らかく、ぼんやりした音になると言われています。
対して、牛骨は硬いので、音に張りがでて、シャープになると言われています。
サドルの素材としては、ほかにも象牙やブラス、セラミックなどがあります。硬ければ硬いほど、高音が強調された音になるようです。最近では、タスク(TUSQ)という人口象牙が流行っています。本物の象牙は目玉が飛び出るくらい高いのですが、これは人工的に造られたものなので、比較的安価(数千円)で材質としても均質です。それこそ硬いので、高音がキンキンしすぎて耳障りだという人もいるくらいです。
僕は、ほどよいメリハリ感を求めて、今回は牛骨にしてみました。
ちなみに、牛骨はサドルの材質として最もメジャーだと思います。
これが、このギターには大ハマりでした。
感じとしては、弦の振動がきちんと表板を振動させて箱鳴り感が増幅された感じです。演奏中も耳に届く音量がかなりアップしました。
倍音もかなり増えた感じで、音がリッチになった感じがします。
これはおそらく、このギターの表板がかなり固い為、プラスチックのサドルでは十分に表板を振動させることができなかったのではないかと思います。
単板と合板の違いはアコースティックギターにとってはとても大きいです。
表板が単板のギターなら、弦の振動に対して柔軟に追従します。そのため、一般的に表板に単板を使用しているギターは鳴りがいいとされます。オール単板とか表板のみ単板などがうたい文句となるのはその為です。
一方、合板はその名の通り木を張り合わせてあります。通常は木目が互い違いになるように重ね接着剤で張り合わせてあります。これが強度をアップさせカッチカチの表板にします。
そもそもアコースティックギターというのは、弦の振動をサドル、ブリッジ、表板と伝え、ボディで音を増幅する楽器です。途中で弦の振動を吸収してしまうプラスチックなどを挟んでいては表板まで振動が届きにくくなってしまう。高級ギターのブリッジにエボニーなどの硬い素材が使用されているのはその為だと思っています(W-50はたぶん黒く塗ったローズウッド)。表板が振動しないというのはアコギにとって致命的です。ただでさえ表板カッチカチなのに。
イメージとしては、やはり弦の振動がきちんと表板に伝わっている感じです。それでもキンキンとまではいってなくて、ちゃんと中域も出ています。少し低音は薄くなった感じもしますが。
もともと表板が固いので、これ以上サドルを硬くしたら高音ばかりのキンキンした音になりそうなので、しばらくこのままでいこうと思います。
たぶん、合板は、たくさん弾けば鳴りが良くなっていくという事はほぼないと思います。
その代わり、とても安定していますし、丈夫ですし、ブリッジ周辺のふくらみもほぼありません。思いっきりジャカジャカ弾いても、太めの弦を張っても全然OK。なにより、このギターはMade in Japanでとても造りがいいです。
23000円としては十分。
これからも、大事に使っていきますよ。
よろしく、相棒。
アコースティックギターのナットとサドル交換
どうも、おっさんトモです。
つい数年前、アコギ欲しい欲しい病にかかり、治療の為にやむなく購入したアコースティックギター、Morris W-50。
1980年のギターです。それまでスプルース単板だったものが、スプルース合板にかわり、スペックが下がった事をごまかすためにハカランダの合板をサイドバックに使用したギターです。
(ごめんなさい、酷い言い様)
ほとんど弾かれていなかったピカピカのオール合板ギターは、それはそれは丈夫で、40年近くなろうというのに、音が硬いというか、響く感じが少ないような…
なかばガッカリしながらも、数ヶ月弾きこむと、音がすこしほぐれてきて、多少響きが良くなってきました。
大きな音は出ています。
ただ、なんというか、指向性が強いんです。弾いていて、音がこちらには飛んでこない。音が出たままサウンドホールを除くと、それなりに大きな音が響いています。
なんというか、弾き手は全然気持ちよくないギターです。
ボディがガチガチな感じがします。
むかし、とある番組で、ストラディバリウスのバイオリンは何故評価が高いのかを科学的に解明しようとした番組がありました。
その番組によれば、音の広がり方が全然違うらしいです。同じくらいの音量でも、弾き手まで包み込むように音が広がるストラディバリウスは、弾いててとても心地のいいバイオリンだということを言っていました。
その点、僕のギターは全く気持ち良くないギター。なんとか音が良くなる方法はないかと、いろいろと調べてみました。
経験済みのものから、神話のようなものまでたくさん出てきます。
弦をかえる、サドルをかえる、ナットをかえる、ブリッジピンをかえる、乾燥剤を突っ込む、振動を与える機械で振動を与え続ける、弦を茹でる、順反り側に調整する、ピックガードを剥がす…
弦を変える以外、どれもあまり期待はしていないのですが、それほどお金もかけずにそれなりの効果が期待できるであろうナットとサドルを交換することにしました。
今付いているナットとサドルは、購入時についていたプラスチックのもの。それを、牛骨のナットとサドルに交換します。
実は以前に持っていたレスポールのナットを、牛骨のオイル漬けナットに交換したことがあります。少しは変わるのですが、劇的な変化は期待していませんでした。
ナットは、溝切り済みのマーチンタイプのナットを、弦高を合わせるように紙やすりでゴシゴシ。この時、ナットの接地面と密着させる為、出来るだけ真っ直ぐに削ります。
このギター、ナットの付け根に角度がついていて、なかなかに難しいです。
サドルは、テイラータイプのオクターブチューニング形状が付いているもので、そのままでは全然入らないので、少しずつ厚みを減らし、自分のしっくりくる弦高まで高さを整えます。
こちらも、サドルの穴に密着するよう、丁寧に少しずつ削ります。
削りすぎると後戻りできないので、慎重にやりましょう。
こちらもなかなかうまいこといきました。
まずは、この2つによる音の変化ですが、とても驚きました。
弾いている側にもきちんと音が飛んできます。組み込みの精度のせいかもしれませんが、これまではサウンドホールを覗き込んでいたのですが、覗き込まなくても良くなりました(笑)
アコースティックギターは、素材の変化に本当にセンシティブですね。
違いがわかったところで、弦も新調します。
わたしの最近のお気に入り、マーチンのマーキスシリーズ、フォスファーブロンズのライトゲージです。
フォスファーブロンズ、僕は以前は80/20ブロンズのミディアムゲージを良く使用していたのですが、高音の煌びやかさが癖になり、もっぱらフォスファーブロンズです。
このマーキスシリーズは、ポールエンドに赤いシルクが巻きつけてあります。これでチューニングの安定性が上がるとか上がらないとか。
張りたての弦のシャキッとした感じ、アコースティックギターではとてつもない効果です。
2週間くらいで輪郭が曇ってくるんですけどね。
今回、これらの交換で音が飛躍的に向上した僕のW-50。
これからも活躍の場が増えそうです。
ギターのフレット磨き
どうも、おっさんトモです。
全然記事がかけていないのに、とてもたくさんの方が見てくださっているようです。本当にありがとうございます。
おっさんが適当にだらだら書いているだけの記事ですが、何かの参考になれば幸いです。
さて、本日はギターのフレット磨きのお話です。
新品で購入したギターやきちんとメンテナンスされたギターはフレットがピカピカしていてとても滑らかです。フレットが滑らかなことで、チョーキングが滑らかに行えたり、コード変更がスムースに行えたりします。僕の印象では、きちんと磨かれたフレットとそうでないフレットでは響き自体も大きく変わるように感じます。
そうです。ギターのフレットは磨くものです。
ギターを扱っている楽器屋では、たいていフレットを磨く為の研磨剤を売っています。
下は僕がいつも使用しているギターのメンテナンスグッズです。
一番左のチューブが、たぶん一番メジャーな研磨剤。
FERNANDESの946、スクラッチメンダーです。これ、ギターのフレット磨き以外にも、非常に優秀で、金属製品の磨き、艶出しはこれで十分です。
フレットを研磨剤で磨いてピカピカにするのですが、フレットは指板に打ち込まれています。指板は大抵木製です。フレットに研磨剤をぶっかけて指板ごとごりごり磨くなんてことは絶対にやってはいけません。100%指板が痛みます。
指板はあらかじめマスキングします。
マスキングテープはホームセンターで購入できます。
こんな感じ。
これ、めちゃくちゃめんどくさいです。ほんと、めんどくさいです。
マスキングテープの端がきちんとフレットの横にあたる状態で貼り付け、隙間や浮きがないようにしっかり押さえつけます。
フレットの間隔は一つずつ違うので、いくつかの幅のマスキングテープをそろえる必要があります。
それでもハイフレットの狭いところなどは、マスキングテープを半分に切って使用しています。
全て貼り付けるとちょっとした達成感です。どうせすぐはがすんですけどね。
本日は2本分。
先ほどの335と、IbanezのRG。
なんとか2本ともマスキングを完了しました。
あとは、先ほどの研磨剤を少量つけてウエスでこしこし。
(この研磨剤がついたウエスやクロスは絶対にボディ磨き用とは別にしておいてください。研磨剤がついたクロスでギターのボディを磨いたら取り返しのつかないことになります)
磨いていくと、こんな感じになります。
写真だと少しわかりにくいかな。どこまでが磨いたフレットか判るでしょうか。
(左の2本はまだ磨いていないです)
磨くのは、少し大変ですが明らかに奇麗になっていくのでとてもやりがいがあります。
あっという間にピカピカに磨きあがりました。
注意点としては、フレットの脇に研磨剤が残りやすいので、ウエスやクロスの中で爪などを立てて、十分に拭き取るようにします。
(拭き取りが十分でないと白い剤が残って結構目立ちます)
あとはマスキングをはがして、指板をレモンオイルなどで補油して、弦を張って完成です。
一番面倒なのは、やはりマスキングです。
考える人はいるもので、こんなグッズも売っていて買ってみたことがあります。
金属のプレートをフレットに押し当てて、指板を保護しながらフレットだけ磨けるという・・・
考えた人天才だなぁ!と思って使ってみたのですが、やはり、フレットと金属プレートの隙間にどうしても研磨剤が入り込んでしまうのです。残念。
ただ、ごく少量の研磨剤で簡単に磨くときなどは、大げさにならないので非常に便利です。
さて、今回はフレットの磨き方(ほとんどマスキングテープの貼り方)についての記事でした。数千円で実施できて非常に効果のあるメンテナンスなので、是非お試しください。
ではでは!
音楽を演奏する人にとって最も重要なこととは
どうも。妄想ギタリストおっさんトモです。
今日は、音楽を演奏する人にとって最も重要な事という壮大なテーマの話です。
ただ、当たり前のことなので、どちらかというと初心者向けの内容になってしまうかも。。。
音楽を演奏する上で重要な要素というのはたくさんあります。
たくさん練習していい音を出すこと。
リズム感を鍛えること。
いい楽器を使うこと。
神を降臨させること。
自分に酔うこと。
楽しむこと。
いろいろと考えられる中で、僕が、音楽を演奏する上で最も重要だと考えること。
それは、音をきちんと聞くことです。
一人で演奏しているときは、自分が出している音をきちんと聞くこと。
だれかと一緒に演奏しているときは、自分と自分以外の人が出している音をきちんと聞くこと。
結局、これが一番重要です。
では、なぜ、演奏する人が自分の音をきちんと聞く必要があるのか。きちんと聞くとはどういうことか。僕なりの考えを書きます。
そもそも、音楽を演奏するということは、誰かに音、音楽を届けるという作業です。
練習は例外として。
一人で演奏しているときは自分に、数人で演奏しているときは周囲に、ライブなどをやるときはお客さんに、自分の、自分たちの音楽を耳まで届けるという作業が、音楽を演奏するということです。
そんなの当たり前じゃん。
そうですね。
ですが、よく、初心者やアマチュアのバンドを見に行って、あ~、この人たちは自分たちが出している音が全然聞こえていないんだろうなぁというバンドがたくさんいます。
音自体がひどい音だったり、バランスが全然うまくなかったり(これはPAの責任がほとんどですが)、何を聴かせたいのか全然わからない。
逆に、演奏がそれほどうまくなくても、とても伝わってくる演奏があります。ああ、この人たちは、自分たちが届けたいものが何かわかっているんだなとか、まだそれほどうまくないけど、こういうことを伝えたいんだろうなという想像を掻き立てられながら聴くことになります。
結局、何が違うのかといえば、自分たちが出している音がわかっているかわかっていないかだと思うんです。
僕が小さい頃にピアノを習っていたとき、基礎練習ばかりで全然楽しくありませんでした。なぜこんな訓練のようなことをするのか。一日休んだら取り戻すのに三日かかると言われ、毎日1時間半、どこか義務感のようなものを感じてピアノに向き合っていたものです。
そんな状況でも、なぜかやめるという事は考えつかなくて、自分にとってのピアノは生活の一部としてなくてはならないものでした。
それでも、自分の周りにはクラシック音楽に触れる環境が揃っていましたので、いつかはこんな曲が弾いてみたいと思うようになっていたりしました。
小学5年の時に、ベートーベンの月光という曲をよく練習していました。月光の第一楽章はとてもゆっくりした曲。ピアノで1オクターブ届けば弾ける曲なので、3~4年くらいから弾いていたと思うのですが、何回も何回も弾き続けるうち、毎回、なんか違うなと。
はじめは、ケンプという人のカセットテープを擦り切れるくらい聴いていました。3年くらいの時に、アシュケナージという人のCDを聴くようになりました。
クラシック音楽というのは、演奏家の解釈の仕方や表現によって同じ曲でも全く別物になります。今聞けば少し印象が違うかもしれませんが、ケンプの演奏はどちらかというと単調。多少癖はあったような気がしますが、僕にとっては少し退屈。アシュケナージという人は結構癖が強くて、情熱的な演奏。この2人の演奏は、逆といっていいほど違うんです。
自分はとりあえず弾けるようになるのは早かったのですが、そこからが問題でした。
自分が弾きたいと思っている音と何か違う。
鍵盤のタッチであったり、レガートのかけ方、音の切り方、ペダルの使い方、全体のフレーズのイメージ、速さ、強さ。気になりだすと、何もかもが気に入らない。こんなものは自分の出したい音じゃない。自分のやりたい演奏じゃない。
どうすれば、自分がイメージする音に近づけるのか。
どうすれば、自分が表現したい演奏に近づけるのか。
それからは、自分の音を聞くという事を特に意識して練習するようになりました。自分が出しているつもりの音は、自分が出している音とは全く違います。
運よく、うちには演奏をそのままMDに録音できるマイクとラジカセがあって、それで自分の演奏を録音して聴いていました。自分の演奏を録音して後で聞くと、全然ニュアンスが違ったりします。
このギャップを、できるだけなくすように、演奏中も自分がどういう音を出しているかに細心の注意を払いながら演奏します。このころが、自分が音楽的に一番上達していたのではないかな。
このギャップがなくなるころ、僕は中学2年になっていて、平日は3~4時間、休みの日はピアノの部屋にこもって一日中ピアノを弾いていることも普通になっていました。
その頃は、もう義務感も消えていて、ただただ自分の演奏ができるように、自分が納得する演奏ができるようになりたかった気持ちが強かったのを覚えています。
ギターも同じ。
バンドも同じ。
今の僕には、もうあの頃ほど集中力も、情熱も残っていません。なのでギターも全然上達しません(笑)
耳もずいぶんなまっているし、自分の出したい音が出せているかというと全然わかりません。
ただ、これから音楽で人に何かを伝えていきたいと考えている人たちに、あえて何かを伝えるとするならば、その音は本当に自分が出そうとしている音なのか、その演奏は本当に自分が伝えようとしている演奏なのか、まずは自分が聞けるようになりなさいという事です。
ろくに自分が出している音も演奏もわかっていないのに、音楽性だの、機材の良し悪しだのを語っているなんて本当に滑稽だ。
あ、僕の事か(笑)
鳴るギター、鳴らないギター
どうも、おっさんトモです。
前回の記事で書いたように、最近遊具をゲットした私です。
この記事はとても長いので、暇な時にゆっくり読まれることをお勧めします。
なお、伝わりやすいように画像などで説明したかったのですが、絵は一切ありません。
想像力をフル活用してお読みください。
私の手に入れた80年製のmorris w-50は、ナットとサドルの調整だけで結構綺麗な音を出してくれている。
以前持っていたM-400に比べると、ボディはしっかりしていてどっちかというとジャキッとした感じの音かな。合板だからか箱なり感は少ないけど、とてもバランスいいし、ピックでストロークすると音量もそこそこある。
はたして、この23000円のギターの音は良いのか悪いのか。
よく良いギターの説明をするときに耳にするのが、『鳴ります』というものです。ちとこの辺の曖昧な表現が、いつも数値を扱うエンジニアの私には分からなくて、結構調べてみてました。
単板は鳴りやすい、合板は鳴りにくいとか、箱鳴りするとか、馬鹿鳴りする、弦鳴りするとか。音量がでかいのが鳴るギターだとか、倍音が豊かなのが鳴るギターだとか。ある場所では鳴らないギターは楽器ではないとかまで言ってたり。いやいや、そんな事は無いだろうと、楽器だろうと、そんな事を思いながら、鳴るギター、鳴らないギターってどういう事を言うのだろうって考えてたわけです。
ちなみに、私のw-50が鳴るのか鳴らないのかは良くわかりません。結局鳴るとか鳴らないとかってのは相対的なものであって、絶対的な評価基準は無いからです。
長い前置きになりましたが、今回は、鳴るギターと鳴らないギターについて、エンジニアとしての私がちょっと違う切り口で考えてみようのコーナーです。
まず、そもそも楽器とはどういうものか。
楽器とは、特定の周波数の振幅を増幅して大きな音として出力する道具です。まぁ、厳密には、楽器には演奏が出来なければならないという縛りがあるので、特定の周波数というのをコントロール出来るという条件が加わります。が、鳴りを主題におきますので、今回はプレイアビリティの部分には触れません。念のため。
例えば、リコーダー。
吹き口から空気を吹き込むと、その吹き込まれた空気がラビュームというエッジにあたります。
エッジに当たった空気は、様々な周波数の振動を発します。
その振幅を持った空気は、出口に向かって流れますが、この時、ラビュームから出口までの距離(以下管長)と綺麗に重なる波長を持った振幅だけが増幅されます。管長の倍の波長、管長と等しい波長、管長の半分の波長…に加え、僅かですが1.5波長、2.5波長、3.5波長など、波の節が管長に重なったものも増幅されます。このうち、最も振幅の大きな音、つまり、波長が一番長い管長の倍の音が一番大きな音として基準の音になります。
これはギターにも言える事で、弦長の倍の波長が増幅されたものが基準の音となり、それに様々な波長の成分が付加されて我々の耳に届きます。
さて、ギターという楽器は、リコーダーと違い、弦が弾かれた時点で発せられる周波数が決まります。その弦の振動をナット(またはフレット)とサドルで受け、それをボディとネックで増幅します。ここで、弦振動をどれだけ増幅できるかによって音量が、どの周波数帯を強調するかによって音質が決まります。
世の中の鳴るギター、鳴らないギター争論には、この音量を重視するか、音質を重視するかがぐちゃぐちゃになっているようです。音量が出るのが鳴るギター?倍音が豊かなのが鳴るギター?こういう感じで、そもそも鳴るギターってなんなのよ?ってなってるのでしょう。
ここで、とにかく音量が出るのが良いギターと考える場合。(多分、ほとんどの場合こちらのことを言ってる気がします。)
音量というのは、波の振幅を大きくするということです。どういうことかと言うと、弦自体の振動をきちんと受け止めつつ、その振動をネックやボディに伝え、板自体や箱の中の空気を振動させて大きくして出力するということです。一番大きな音とが聞こえるのはサウンドホール前だと思うので、一番増幅されるのはボディ内の空気を振動させる時ですね。空気を振動させるにはボディの板が振動しなければなりません。ボディの板が振動するには、ブリッジやネックがきちんとボディに振動を伝える必要があります。
ネックは、ボディサイドに接続されていますが、ボディサイドからの増幅に比べれば大きな振動が期待できるボディトップからの入力であるブリッジが重要と言えるでしょう。また、ボディに効率良く振動を伝えると考えると、ネックは弦振動を殺さないように硬いべきだと思います。ボディ自体は、あらゆる周波数に対して柔軟な振動をすることが望ましく、きちんと振動を空気に伝えるだけの剛性と、振幅を大きくする柔軟性が必要です。その2つのバランスがいい単板という素材が、大きな音量を狙うギターに使用されてきた理由だと思います。接着剤で貼り合わせた合板は剛性は上がりますが、柔軟性を犠牲にしますから、どうしても振幅は稼ぎづらいですよね。
さて、音質がいい(これまた微妙な表現ですが)のが鳴るギターだとした場合。
倍音が豊かとか、低音がよく出るとか、そういった音質に関わる要素は、ギターにとっては非常に多様です。つまりは、どの部分を強調して増幅させたいか(どんなキャラクターの音にしたいか)があって、その狙いを構造や材質によってコントロールしているという事です。前者であれば、ボディサイズ、ブレージング、板厚など、形状に関する事ですし、後者であれば木材の種類や単板、合板の選択でしょう。場合によってはある周波数を削るためにわざと鳴りにくい構造をとったりもするかもしれません。ある人はそれを鳴らないと表現するかもしれませんが、別の人は倍音が綺麗で鈴鳴りだと表現するかもしれません。
結局は、鳴るか鳴らないかは一概に言えるものではなく、どのような音を求めるかによって変わるという事です。
(さらに言うと、増幅され発せられた音がどのように演奏者や聴き手に伝わるかと言うのも重要な要素ですが、今回は割愛します。ただし、かの高級バイオリンStradivariusが、演奏者に対する音の指向性特性が特異だった事から、鳴る議論の要素としては非常に重要とは考えます)
では、楽器としての実力(優劣)は『鳴る』などといった簡単な基準によって判断することができない、というとそうでもないと思います。
はじめに戻りますが、楽器というのは、特定の周波数の振幅を増幅して大きな音として出力する道具といいました。特定の周波数というのが、楽器を楽器たらしめる要素であり、増幅させたい周波数がきちんとコントロールできるかというのが楽器としての生命線とも言えます。よく、音抜けとか音の分離と聞くのもこの事で、必要のない雑味を取り除いて、いかに必要な振動だけを十分に増幅できるか。が重要なのです。そこに明確な狙いがあり、あえて味わいや趣を残すのは楽器として優秀な部類に入るでしょう。
さて、私のw-50ですが、オール合板、ボディしっかりめの作りなので、つま弾いた際の音量は小さめな印象です。ただ、その分倍音が綺麗で、低音から高音までのバランスが良いです。ストロークは歯切れよく、弦の振動を殺さないからか音量は大きめ。ボディがビリビリ振動してる感じは少ないが、張りのいい音がします。
これが果たして鳴るギターと言うのか言わないのかはわからないですが、少なくとも23000円の価値は十二分にあったと感じでいます。
さて、今回は鳴るギター、鳴らないギターについて、たくさんの人が書いている切り口とちょっとずらして攻めてみました。
あえて最後に明記します。
この記事に記載された内容はすべて個人の主観です。