サドルを交換したら音が格段に良くなった件についての考察
どうも、おっさんトモです。
先日、MorrisのW-50のナットを交換しました。
僕のW-50はオール合板で、38年前のギターにも関わらす表板はガッチガチです。
鳴りがいまいちだと思いながらそのバランスの良い音が気にいって、大事に弾いていました。
手に入れて数か月弾いたらボディも多少は響いてきていたのですが、やはりまずは音量をもっと大きくしたいという気持ちが強くなっていました。
少しは、何か変化があるのだろうかと、半信半疑でサドルを交換しました。
当初ついていたプラスチックのものから、牛骨のサドルにしました。
あれから一週間経ちましたが、これが大正解で、繊細な音から大きな音まで非常によく鳴るようになりました。指引きでも輪郭のはっきりした音。ピックだとまぁまぁの大音量でけっこう気持ちよく弾けます。
これはどういう事だろうと、僕なりにいろいろと考えてみました。
一般的に、プラスチックは柔らかく、ぼんやりした音になると言われています。
対して、牛骨は硬いので、音に張りがでて、シャープになると言われています。
サドルの素材としては、ほかにも象牙やブラス、セラミックなどがあります。硬ければ硬いほど、高音が強調された音になるようです。最近では、タスク(TUSQ)という人口象牙が流行っています。本物の象牙は目玉が飛び出るくらい高いのですが、これは人工的に造られたものなので、比較的安価(数千円)で材質としても均質です。それこそ硬いので、高音がキンキンしすぎて耳障りだという人もいるくらいです。
僕は、ほどよいメリハリ感を求めて、今回は牛骨にしてみました。
ちなみに、牛骨はサドルの材質として最もメジャーだと思います。
これが、このギターには大ハマりでした。
感じとしては、弦の振動がきちんと表板を振動させて箱鳴り感が増幅された感じです。演奏中も耳に届く音量がかなりアップしました。
倍音もかなり増えた感じで、音がリッチになった感じがします。
これはおそらく、このギターの表板がかなり固い為、プラスチックのサドルでは十分に表板を振動させることができなかったのではないかと思います。
単板と合板の違いはアコースティックギターにとってはとても大きいです。
表板が単板のギターなら、弦の振動に対して柔軟に追従します。そのため、一般的に表板に単板を使用しているギターは鳴りがいいとされます。オール単板とか表板のみ単板などがうたい文句となるのはその為です。
一方、合板はその名の通り木を張り合わせてあります。通常は木目が互い違いになるように重ね接着剤で張り合わせてあります。これが強度をアップさせカッチカチの表板にします。
そもそもアコースティックギターというのは、弦の振動をサドル、ブリッジ、表板と伝え、ボディで音を増幅する楽器です。途中で弦の振動を吸収してしまうプラスチックなどを挟んでいては表板まで振動が届きにくくなってしまう。高級ギターのブリッジにエボニーなどの硬い素材が使用されているのはその為だと思っています(W-50はたぶん黒く塗ったローズウッド)。表板が振動しないというのはアコギにとって致命的です。ただでさえ表板カッチカチなのに。
イメージとしては、やはり弦の振動がきちんと表板に伝わっている感じです。それでもキンキンとまではいってなくて、ちゃんと中域も出ています。少し低音は薄くなった感じもしますが。
もともと表板が固いので、これ以上サドルを硬くしたら高音ばかりのキンキンした音になりそうなので、しばらくこのままでいこうと思います。
たぶん、合板は、たくさん弾けば鳴りが良くなっていくという事はほぼないと思います。
その代わり、とても安定していますし、丈夫ですし、ブリッジ周辺のふくらみもほぼありません。思いっきりジャカジャカ弾いても、太めの弦を張っても全然OK。なにより、このギターはMade in Japanでとても造りがいいです。
23000円としては十分。
これからも、大事に使っていきますよ。
よろしく、相棒。